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頭皮にかさぶたができるのはなぜ?要因や対処の仕方もあわせて紹介


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頭皮にかさぶたができるのはなぜ?

毎日シャンプーでしっかり洗っているにもかかわらず、頭皮にかさぶたができてしまうというケースは珍しくありません。特に産後はホルモンバランスが乱れやすく、頭皮に何らかの影響が出ることも少なくないでしょう。


かさぶたができてしまうとフケや痒みを伴うことが多く、はがすと悪化するなど症状が改善しにくい悩みがあります。頭皮のかさぶたがなぜできてしまうのか、特徴や症状を踏まえた上で、適切な対処法を実践することが大切です。


頭皮のかさぶたの特徴3つ

頭皮にかさぶたができている時の症状や特徴として、「表面がザラザラする」「かゆみを伴うことが多い」「他の皮膚と見た目が違う」などの点が挙げられます。


それぞれの症状や特徴について、簡単に説明します。


1:表面がザラザラする

かさぶたができている頭皮は通常時と比較すると、皮膚全体が乾燥している傾向が見受けられます。


触れるとザラザラしていたり、カサカサしていることがあります。場合によってはフケが落ちてくることもあるでしょう。


2:かゆみを伴うことが多い

頭皮にかさぶたができてしまう原因の中には、アレルギー反応や細菌・真菌感染などによる炎症が起きているケースもあります。


頭皮が乾燥していることにより、かさぶたができているところを中心にかゆみを伴うことが多いでしょう。


3:他の皮膚と見た目がちがう

ほかにも頭皮かさぶたの特徴として、他の健康な皮膚との見た目の違いがあります。かさぶたができている頭皮は、原因によって赤いブツブツができたり白いかさぶたに覆われたりしています。このように、明らかに他の健康な頭皮と見た目が異なっている場合があります。


頭皮にかさぶたができる要因9つ

ここで気になるのが、なぜ頭皮にかさぶたができるのかという点です。頭皮のかさぶたは誰にでも起きる症状の一つで、要因も多岐にわたります。要因によって対策も異なるため、まずは自分がどのような原因に当てはまるのか調べる必要があります。


主な要因としては9つほどあり、感染症や生活習慣など、様々なものが挙げられています。


1:脂漏性皮膚炎の場合

脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌が多い場所に起きやすい皮膚の炎症です。過剰に分泌された皮脂によって起きる炎症で、赤ちゃんから大人まで発症する可能性があります。脂漏性皮膚炎が起きると肌のターンオーバーが阻害されるため、白いかさぶたを生み出してしまうのです。


赤ちゃんの場合は未発達の毛穴に皮脂が詰まることが原因で起こりやすく、大人であれば過剰分泌された皮脂を餌にする常在菌の代謝物で炎症を起こすと考えられています。産後は疲労やストレスが蓄積し、生活習慣が変わるため皮膚炎が起きやすくなっています。


2:アトピー性皮膚炎の場合

アトピーと呼ばれる皮膚炎も、頭皮かさぶたを作り出す要因のひとつです。過剰な免疫反応によって起きる皮膚の炎症として主に乳児から幼児が発症するケースが多いですが、成人してからも発症する場合があります。


アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う炎症であり、かゆくて掻きむしった結果出血を伴う傷ができたり、フケを大量発生させたりすることで、かさぶたができやすくなります。


また何度も掻いた結果、頭皮をバリアする皮脂が取れて、乾燥を助長させた結果、かさぶたができることもあるようです。


3:トンズランス感染症の場合

トンズランス感染症とは、頭皮白癬とも呼ばれる脱毛症を伴った病気です。白癬はいわゆる水虫のことであり、頭部にできた水虫またはカビのことを指します。


かさぶたができるだけではなく、髪が抜ける、フケが出るなどの症状があり、頭部以外にも症状が出る可能性があるなど広範囲に広がる恐れがあります。ほかの病気と違って感染する可能性が高く、適切な治療をしなければ改善しないため注意が必要です。


4:乾癬の場合

乾癬(かんせん)は頭皮や肘、膝など様々な場所に発症しやすい病気で、銀色のかさぶたが剥がれ落ちる、赤く盛り上がった斑点ができるなどの特徴を持ちます。


かゆみを伴うこともありますが、掻いたり触ったりすると症状が悪化して掻いてしまうという悪循環を繰り返す可能性があります。乾癬になる原因ははっきり特定されているわけではなく、体質や食事、生活習慣や気候など様々なものが考えられています。


5:ドライスキンの場合

皮膚炎などの病気が原因で皮膚が乾燥すると頭皮かさぶたができやすいのですが、病気以外にも単純に乾燥肌が要因でかさぶたができる場合も少なくありません。


ドライスキン(乾燥肌)の場合、肌のターンオーバーが乱れていたり頭皮の水分が不足していたりするため、かゆみや湿疹を伴いやすい傾向があります。その結果ついつい掻いてしまい、かさぶたやフケなどの症状が出やすくなるのです。


また金属や洗剤、花粉などの刺激によってかゆくなるなど敏感肌になりやすい点も、頭皮かさぶたができやすい要因として考えられています。こちらは単純に頭皮が乾燥しているだけなので、保湿ケアを繰り返し行うことで症状が改善することがあります。


6:過度なシャンプーをしている場合

しっかりシャンプーで髪を洗っているのにかさぶたやフケが治らないという場合、シャンプーのし過ぎまたは間違った洗髪方法を実施していることが要因として考えられます。特に頭皮がかゆくなると爪などで掻くように洗ったり、ゴシゴシと強い力で洗ったりする人もいるでしょう。


頭皮を爪などで掻くように強い力で擦って洗うと、頭皮を傷つけてしまうのでかさぶたができやすくなるのです。何度もシャンプーで洗っている場合や過剰なヘッドスパも、頭皮のバリア機能を削るため、抜け毛など症状の悪化につながる場合があります。


洗浄力の強いシャンプーや自分の頭皮に合っていないシャンプーを使用している場合も、皮膚がかぶれてしまう可能性があるので注意しましょう。


7:引っ掻いている場合

頭皮かさぶたには様々な要因がありますが、共通しているポイントとして頭皮を引っ掻いてしまうことが挙げられます。引っ掻く理由はかゆみやかさぶたが気になるなどがあるものの、どのような理由でも乾燥している状態の頭皮を引っ掻くことで皮膚に大きなダメージを与えるのです。


爪を立てていると傷ができますし、爪を立てていなくても過剰な摩擦は頭皮を痛める結果につながるため、炎症などを引き起こしやすくなります。やめたくてもやめられない、痒くないけど掻いてしまうなど癖になっている人も少なくありません。


8:寄生虫の場合

頭皮かさぶたの思わぬ要因として考えられるのが、寄生虫の存在です。頭皮に寄生するアタマジラミという虫は、頭髪に住みつき、かゆみやフケなどの症状を引き起こします。人から人に感染する特徴を持ち、幼稚園や保育園、学校などで集団感染を起こしやすい傾向があります。


シラミが繁殖するとかゆみがひどい状態になりやすく、かきむしることでかさぶたができやすくなるのです。放置しても自然治癒しないだけではなく、同居している家族や学校、職場に感染を広げる恐れがあります。


9:ストレスの場合

ストレスは様々な病気を引き起こす要因として考えられており、頭皮かさぶたやかゆみも例外ではありません。


ストレスを感じると血行不良や新陳代謝の低下、免疫機能の低下などを引き起こす傾向があり、頭皮に十分な栄養が行き届かなくなることで頭皮環境が悪化しやすくなります。乾燥しやすくかゆみが生じやすい状態になるため、掻きむしることでかさぶたを作りやすくなるのです。


ストレスを感じるとイライラして痒くないのに掻いてしまう、傷ができて痛い、かさぶたができてもはがす癖がついてしまうなど、悪循環に陥りやすいでしょう。産後は慣れない育児でストレスが溜まりやすいため、頭皮かさぶたを引き起こしやすい要因と言えるでしょう。


頭皮のかさぶたを放っておくとおきること

様々な要因で頭皮にかさぶたができてしまいますが、ケアが面倒くさい、痛みもないしかゆみも大して気にならないからと放置する人や、また何度ケアしても同じ場所にかさぶたができてしまうと、やはり面倒くさくなって放っておく人もいるようです。


頭皮のかさぶたは放置していると薄毛や抜け毛など、髪の毛が抜けるだけではなく毛が生えない状態を作り出すリスクがあります。


頭皮を掻き続けてしまう

頭皮の状態をそのまま放置するということは、かゆみもそのまま放置することになります。


乾燥している肌は放置したとしてもかゆみが治まるわけはないため、ずっと掻き続けることになります。掻いて傷やかさぶたができると、治りかけた頃によりかゆみが増すため、ついつい剥がしてしまったり掻いてしまうなど悪循環に陥りがちです。


結果としてかさぶたが治らないどころか、新しいかさぶたができるなど悪化する可能性が高くなるでしょう。


抜け毛が増える

頭皮のかさぶたを放置している場合、かさぶたができている部分の毛穴を塞いでいる状態になります。毛髪の成長を阻害してしまうため、その部分の抜け毛や薄毛を進行させる可能性は高いでしょう。


かさぶたができるほど頭皮の環境が良くない時点で髪の毛の成長を阻害しています。放置により抜け毛や薄毛が広範囲に広がる恐れがあります。特に産後の女性はホルモンバランスの乱れで抜け毛や薄毛が起きやすいため、注意しましょう。


頭皮のかさぶたへの対処の仕方7個

頭皮にかさぶたができてしまった場合は、原因を踏まえて対処する必要があります。内容は日常生活や毎日の習慣に密接にかかわっているため決して難しいものではなく、産後の女性でもすぐに実践できるものが多いです。ここからは代表的な対処の仕方を7つほど紹介していきます。


1:むやみに剥がすのはNG

かさぶたがかゆい、気になって仕方がないからとむやみに剥がすと、健康な皮膚も一緒に剥いでしまいます。剥いだ部分の真皮層が露出し、頭皮の常在菌や雑菌が入り込んで感染のリスクが高くなってしまうのです。


その結果、大きな皮膚トラブルや炎症を起こして症状が悪化してしまう危険性があるため、かさぶたは放置しないように、そしてむやみに剥がさずに処置することが必要になります。


2:洗髪を正しく行う

強く擦る、爪で頭皮を傷つけるような洗髪をしていた場合は、正しい洗髪方法を身に着ける必要があります。


正しい洗髪方法は、最初にクシなどで髪についた埃や汚れを軽く取り、皮脂を流し過ぎないようにぬるま湯を使って軽く洗います。その後シャンプーを十分に泡立ててから髪や頭皮につけ、指の腹で優しく洗うのです。後はシャンプーを十分に洗い流せば問題ありません。


この際、シャンプーの原液をそのまま頭皮や髪につけないように注意しましょう。原液を直接つけると皮脂が流れ過ぎてしまうため、泡立ててからつけるのがポイントです。


3:ストレスをためないようにする

ストレスをため込むことも頭皮かさぶたの要因であり、できる限り普段からストレスをため込まないように心がけることが必要です。


特にストレスは自律神経のバランスを崩して身体回復を遅らせることがあるため、趣味に没頭する、しっかり睡眠をとる、美味しいものを食べるなど、自分に合ったストレス解消法を実践することが推奨されています。


ただ溜め込んでから発散しようとすると時間がかかりますし、産後のストレス発散方法は体力面などにより限定されてしまうこともあります。その日のうちに発散できる手段を見つけることも必要です。


4:シャンプーの使い方に注意する

洗髪方法を見直す対処は前述しましたが、それでも改善しない場合はシャンプーの使い方そのものを見直すことも必要です。


シャンプーには皮脂や汚れを落とすために界面活性剤が使用されていることが多く、1回の洗髪で多量に使ったり何回もシャンプーで洗髪したりすると、皮脂が流れ過ぎて頭皮に負担がかかります。


頭皮に刺激の少ないシャンプーに変えること、シャンプーの使用量や頻度を減らすことを検討しましょう。


5:皮膚科の専門医に診てもらう

皮膚炎や乾癬・寄生虫が原因での頭皮かさぶたの場合、セルフケアだけで症状を改善することは難しいでしょう。特に乾癬やシラミの場合は自然治癒しないため、早急に病院で薬を処方してもらう必要があります。


病気が原因でなかったとしても、専門医に診てもらえば症状に応じて塗り薬や飲み薬を処方してもらえます。かゆみによるイライラなどストレスを解消する意味でも、推奨されている対処法です。


6:良い睡眠を心がける

産後子育てに奮闘している女性にとっては難しい対処方法ではありますが、良質な睡眠を確保することでホルモンバランスの乱れも改善しやすくなります。


生活習慣をできるだけ整えつつ、家族や育児支援のサービスを利用しながら、できる限り睡眠時間を確保できるように心がけることが大切です。


7:ドライヤーの使い方を見直す

頭皮かさぶたは頭皮の乾燥によって症状が悪化することもあるため、できる限り保湿を心がけることが大切です。


ドライヤーを近距離から当てている場合は約30センチ以上離した位置から、常に振って使用することが推奨されています。ドライヤーを当てる前のタオルドライは擦るように拭くよりも、柔らかいタオルで挟むように水滴を取るのが効果的です。


頭皮のかさぶたは早めに直した方がよい

出産後はどうしてもホルモンバランスや生活サイクルが乱れやすく、頭皮環境が悪くなりやすいことから頭皮にかさぶたができてしまう傾向にあります。


育児が忙しいからなどの理由で、そのまま放置してしまうと抜け毛や薄毛が増え、かゆみなどの症状でイライラしてしまうこともあるでしょう。頭皮のかさぶたを見つけたら、早めに対処しましょう。