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臨月における肌荒れとは?4つの原因と対策する方法もあわせて紹介
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臨月における肌荒れとは?
臨月に入ると赤ちゃんに会える日はもうすぐです。楽しみにしながら日々を過ごしていると、ふと最近肌が荒れているなと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
妊娠中は妊娠期特有の体の変化により、普段からスキンケアに気を配っている方でも肌荒れを起こしやすくなっています。
普段とは違う肌の状態に戸惑ってしまう方もいるでしょう。もうすぐ赤ちゃんに会えるのに肌荒れのストレスを抱えてしまっては、体にもお腹の赤ちゃんにも良くないでしょう。
そこで今回は、臨月における肌荒れの原因や対策についてご紹介します。
臨月における肌荒れの4つの原因
先ほどもご説明した通り、妊娠中は普段と体の状態が異なるため肌荒れをしやすい状態になっていると言えます。
臨月の肌荒れの原因は疲労やストレス、ホルモンバランスの変化、栄養不足、便秘などが挙げられます。ここでは、臨月における肌荒れの原因について詳しく見ていきましょう。
1:疲労やストレスによるもの
臨月における肌荒れの原因として、まず挙げられるのが疲労やストレスによるものです。体が疲れてストレスが溜まると、自律神経が乱れて血の流れを鈍らせ、血流の鈍い状態が続けば、肌に栄養が届かず肌荒れが起こります。
臨月になると大きなお腹で動くだけでも体力を使いますが、家事もこなさなくてはならない方もいるでしょう。またお腹の重さでぐっすりと眠られず、寝不足で疲れが溜まりがちです。
さらに臨月で出産が近いことから、出産に対する不安や赤ちゃんが問題なく生まれてきてくれるか不安になってしまうこともあります。悩みすぎるとストレスになり、肌荒れの原因になってしまうでしょう。
2:ホルモンバランスの変化によるもの
妊娠中の肌荒れは多くの場合ホルモンバランスの変化が原因と言われています。生理前に肌荒れをする方も多いのではないでしょうか。
生理前に肌荒れするのはプロゲステロンという女性ホルモンが増加するためです。プロゲステロンには皮脂の分泌を促す働きがあり、過剰に分泌された皮脂によって毛穴が塞がれることで肌トラブルを引き起こすと言われています。
妊娠すると、このプロゲステロンが多く分泌されるようになるため、生理前と同じように肌荒れをしやすくなってしまいます。
3:栄養の不足や偏りによるもの
肌荒れの原因として栄養の不足や偏りもあるでしょう。臨月ともなるとお腹がとても大きくなり、胃を下から押し上げるような状態です。
そのため、食事をすると胃が圧迫され、消化機能が鈍ることで気持ち悪くなってしまいます。そのためあまり食べられず、つわりと同じように栄養不足になったり栄養が偏ってしまったりして、肌荒れを引き起こしてしまいます。
さらに臨月の場合は妊娠初期のつわりの時とは異なり、赤ちゃんに多くの栄養を回すようになるため、つわりの時の肌荒れよりもひどくなる場合があります。
4:便秘によるもの
便秘も臨月における肌荒れの原因として挙げられるでしょう。臨月になると大きくなったお腹は胃だけでなく腸も圧迫するようになり、今まで便秘とは無縁だった方も便秘になりやすくなります。
便が体内に長時間留まることで悪玉菌が増え、悪玉菌が腸内で有害物質を作り出してしまいます。
悪玉菌が作った有害物質は体内に吸収され、血液に混ざって体をめぐります。その一部が汗となり肌の表面へ出ますが、汗に含まれる有害物質の刺激により肌荒れが起きてしまいます。
肌荒れの5つのタイプ
一口に肌荒れと言っても、吹き出物ができる、カサつくなど人によって症状は様々です。ここでは、敏感肌や普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌など5つのタイプに分けて肌荒れの症状をご紹介します。
自分がどのタイプに当てはまるか、参考にしてみて下さい。
1:隠れ敏感肌
自分では別のタイプの肌だと思っていても、ちょっとした要因で肌のバリア機能が低下して敏感肌に傾くことがあります。これを隠れ敏感肌と言います。
敏感肌になると普段使っていた化粧水にピリッと刺激を感じたり、肌がカサカサになってしまったり、目や口のまわりがつっぱってカサつき、赤みが出たりするなど、様々な症状が現れます。ひどい場合には、粉を拭くこともあるでしょう。
隠れ敏感肌は、少しの刺激にも反応して肌荒れを起こしやすい状態になっているため、注意が必要です。
2:普通肌
普通肌は水分量が多く、皮脂の量は少ない状態の肌のことを言います。良い状態の肌ですが、季節やストレス、生理などの原因でカサついたり、皮脂の量が増えてべたつくなど変化しやすいでしょう。
変化してしまうと乾燥肌のように肌がカサついたり、脂性肌のように脂っぽくなって吹き出物が出やすくなったりします。
状況によって乾燥肌や脂性肌など他の肌質に変わりやすいため、肌にしっかり水分を与え、油分でフタをする基本的なお手入れで、良い肌の状態を保つようにしましょう。
3:乾燥肌
乾燥肌は水分量が少ないため、肌表面がカサカサしていてツヤがありません。ひどいと粉を拭くこともあるでしょう。
肌の乾燥から赤みがあったり、ヒリヒリとすることもあります。普通の肌と比べて水分量や水分の保持力が低下している状態の肌です。
4:脂性肌
水分量に比べて皮脂の量が多いのが特徴の脂性肌は、テカリや吹き出物、毛穴に悩まされることが多い肌質です。
肌のバリア機能が乱れることで毛穴が詰まり、詰まった皮脂がアクネ菌を増殖させて吹き出物の原因になると考えられています。
炎症したところは色素沈着の原因となるメラノサイトが活性化するため、跡が残りやすいので注意が必要です。
5:混合肌
水分量が少なく皮脂の量が多い混合肌は、脂っぽいのに乾燥してカサつきも気になるのが特徴です。Tゾーンはべたつくが頬は乾燥してカサつき、毛穴の赤みが気になるということもあるでしょう。
肌のバリア機能が低下し、水分量を保つことができずに乾燥している部分と、皮脂が詰まる部分が混在している状態です。
臨月における肌荒れの対策方法8つ
臨月における肌荒れについてご紹介しましたが、ではどのように対策をすればよいのでしょう。
肌荒れ対策は内側からも外側からもケアしていくことが重要です。ここでは、臨月における肌荒れの対策方法を8つご紹介します。
1:肌に優しい低刺激のケア用品に替える
妊娠中は肌質が変わり、敏感肌になりがちです。妊娠前に使っていた化粧品が合わなくなっている可能性もあるため、肌荒れが気になったらケア用品を見直しましょう。
妊娠中は無添加で肌に優しい低刺激のケア用品がおすすめです。人によっては、それでも合わない場合があるため、試供品などで一度試してから使用するのが良いでしょう。
また、自然由来の成分を使用したものも、肌に負担をかけないためおすすめです。
2:洗顔を丁寧にする
妊娠中はホルモンバランスの変化により皮脂の分泌が増加します。余分な皮脂や汚れが残っていると肌荒れの原因にもなるため、丁寧に洗顔して余計な皮脂や汚れを落とし、肌に残らないようにしましょう。
しかし、妊娠中の肌は敏感になっています。そのため化粧水などのケア用品と同様、洗顔料も汚れを落としつつ肌に優しいものを選ぶように気を付けましょう。
3:体内と体外から潤いを保つ
妊娠中は水分が不足しがちになるため、顔だけでなく全身の肌も乾燥している方は多いでしょう。そのため肌の保湿ケアはもちろん、加湿器を利用したり、こまめに水分補給して体内と体外から潤いを保つようにしましょう。
こまめな水分補給は便秘にも効果的です。体内の水分が不足すると便秘になり、肌荒れを起こしやすくなるため、それを防ぐ意味でもこまめな水分補給を心掛けるようにしましょう。
4:サプリメントの活用をしてみる
ビタミンCは肌のコラーゲン生成を促すため、肌荒れの予防や改善に効果的です。ビタミンCが多く含まれるブロッコリーや小松菜などの野菜、オレンジ・グレープフルーツなど柑橘系の果物を積極的に食べるようにしましょう。
食事で摂ることが難しい場合は、サプリメントを活用してビタミンCを摂取してみるのも良い方法です。
5:紫外線対策も有効
妊娠中はホルモンバランスの変化により、プロゲステロンという女性ホルモンが増加します。プロゲステロンにはメラニンの生成を促進する働きがあるため、妊娠中はシミができやすい状態です。
シミを予防するためにも、普段以上の紫外線対策をしましょう。日焼け止めを使用する際は、敏感になっている肌への影響を考え、SPF値の低いものを頻繁に塗り直して使用しましょう。
また、外出の際は帽子やストールを合わせて着用すると良いでしょう。
6:バランスのとれた食事を心がける
毎日バランスのとれた食事を心がけるのも大切です。糖分や油分を過剰に摂取すると血流が鈍くなり、肌のターンオーバーが乱れたり皮脂が詰まって肌荒れの原因にもなります。
辛いものには血行促進の効果がありますが、妊娠中には刺激が強すぎて内臓に負担をかけてしまうため、肌荒れの原因になる場合もあります。
これらに注意しながら栄養バランスを考えた食事をするようにしましょう。
7:睡眠不足と疲労をかけすぎない
肌にはターンオーバーと言って古い肌細胞から新しい肌細胞に生まれ変わる機能があります。しかし睡眠不足に陥ると肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンがきちんと分泌されず、肌荒れになってしまいます。
また、疲れてストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れ、肌荒れの原因になります。そのため睡眠不足等で疲労をかけすぎないようにすることが、肌荒れの対策として必要となるでしょう。
8:部位によって肌ケアを変えてみる
妊娠中は肌の調子がいつもと異なることが多い傾向にあります。ホルモンバランスの変化やストレスなどで肌質が変わり、Tゾーンはべたつくのに頬はカサカサする混合肌になっている場合もあります。
部位によって乾燥している所とべたつく所があるような場合には、それぞれの部位で肌ケアを変えてみると良いでしょう。
臨月の肌荒れである間違い
臨月の肌荒れでよくある間違いが、赤ちゃん用のケア用品なら肌に優しいから安心と考え、赤ちゃんのケア用品を使用することです。
赤ちゃん用のケア用品は赤ちゃんの肌を守るために油分が多めになっていることが多く、妊婦が使用すると吹き出物や湿疹など肌荒れの原因になってしまう可能性があります。
赤ちゃんにも使えるケア用品が必ずしも妊婦の肌に良いものとは限りません。自分の肌状態に合ったケア用品を使うようにしましょう。
時期別で見る肌荒れのポイント4つ
妊娠中の肌荒れは、妊娠時期によって体に様々な変化があるように肌荒れの原因も時期によって変化しています。
ここでは妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期、出産後の4つの時期に分けて、時期別の肌荒れのポイントを見ていきましょう。
1:妊娠初期
妊娠初期の肌荒れの主な原因はホルモンバランスの乱れによるものです。妊娠初期はプロゲステロンという女性ホルモンが急激に増加する時期で、このプロゲステロンには皮脂の分泌を促す作用があります。
過剰に分泌された皮脂により毛穴が詰まって吹き出物ができたり肌荒れの原因になります。また、つわりのひどい時期でもあるため、つわりによる栄養不足や偏りが原因の場合もあるでしょう。
2:妊娠中期
妊娠中期の安定期に入ると、つわりもなくなって食欲が増加しやすい時期です。そのため、脂っこいものや甘いものの食べ過ぎで肌荒れになってしまうことが多い傾向にあります。
また、妊娠中期になるとプロゲステロンの分泌量は減りますが、もう1つの女性ホルモンエストロゲンが多く分泌されるようになります。2つの女性ホルモンの分泌が増える一方で男性ホルモンが低下すると、その作用で皮脂分泌量が減り肌の乾燥を招くことになります。
3:妊娠後期
妊娠後期の肌荒れは、出産が間近に迫り、出産に対する不安や悩みから来るストレスや、大きなお腹に胃が圧迫されることによる食欲の低下が原因となる場合が多い傾向にあります。
妊娠後期の食欲低下は後期つわりと呼ばれるように、妊娠初期のつわりと同じく栄養不足になりがちです。また、妊娠後期は栄養を赤ちゃんに回さなくてはならないため、妊娠初期よりも肌荒れがひどくなる可能性が高いと言えるでしょう。
4:出産後
出産後の肌荒れの原因は様々です。まず、分娩時まで増加していた女性ホルモンが出産後急激に減ってしまうことによるホルモンバランスの乱れが原因として挙げられます。
また、出産後の慣れない育児や授乳で十分な睡眠時間が取れず生活リズムが乱れ、疲れやストレスが溜まってしまうことも原因として挙げられます。
さらに便秘や長時間赤ちゃんを抱っこすることによる肩こりも肌荒れの原因となるでしょう。これらの原因により、肌のターンオーバーが乱れて肌荒れを引き起こします。
臨月の肌荒れの原因と対策方法を知ろう
妊娠中はホルモンバランスの変化で肌荒れしやすい状態になっています。肌荒れによるストレスを抱えたままにするとお腹の中の赤ちゃんにも良くありません。
ご紹介した肌荒れの原因と対策を参考に臨月の肌荒れについて知り、適切なケアをしましょう。