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妊娠中に肌が乾燥してしまう理由 対処法と保湿クリームを選ぶ基準も紹介


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妊娠中に肌が乾燥してしまう理由4つ

普段は肌のトラブルとは無縁だったのに、妊娠してから肌が乾燥気味になってしまったという悩みを抱えている方もいるでしょう。妊娠中は妊娠前と比べて、ホルモンバランスをはじめ、体型や生活バランスなども変わってきます。


一見、胎内で起こっている妊娠という活動と、肌表面の乾燥に関係はあるのだろうかと感じる方もいますが、実は妊娠に起因する肌乾燥もあるとされています。ここでは、妊娠が引き起こす肌乾燥について考えていきましょう。


1:お腹が大きくなることで肌に負担を与えてしまうため

お腹の子供が成長するにつれて、母体の皮膚はどんどんと引っ張られ伸びていきます。また、お腹が大きくなれば、それだけ衣類や肌着との摩擦ストレスも増えてしまいがちです。これらの刺激が少しずつ肌に負担をかけ、肌荒れや乾燥の原因となってしまうのです。


2:ホルモンバランスが崩れてしまうため

妊娠すると、女性ホルモンである「エストロゲン」と呼ばれる卵胞ホルモンや「プロゲステロン」と呼ばれる黄体ホルモンの分泌量が一気に増えてきます。その反面、男性ホルモンの分泌量は低下します。


エストロゲンは美肌ホルモンと呼ばれるほどに肌に嬉しいものなのですが、逆にプロゲステロンはニキビや乾燥などの原因になってしまいます。そのためこのプロゲステロンが多く分泌されることも、肌トラブルの一因となります。


妊娠中に限らず「生理前は肌がゆらぐ」など、生理周期に合わせて肌質の変化を感じるのも、これら女性ホルモンの働きが関係しているといわれています。


また、男性ホルモンには皮脂分泌を促す働きがあり、この男性ホルモンの分泌が減少することで肌が乾燥するともいわれています。こういったさまざまなホルモンが各種バランス良くあることで、肌は良好な状態を保っています。


妊娠中はこのバランスが崩れてしまい、肌が乾燥しがちになってしまうのです。


出典:女性ホルモンと基礎体温のこと| 医療法人玲聖会
参照:https://takako-womens-clinic.com/blog/blog01/592


3:つわりによって食生活が不規則になってしまうため

つわりは妊娠中のつらい症状の1つです。人によっては何も食べられない、食べられるものが限られてしまう、特定のものばかり食べたくなってしまうといった場合もあるでしょう。


食べられるものが限られてしまうと、肌を健康に保つためのビタミンやミネラルといった栄養素が食事から取りづらくなってしまったり、偏ってしまったりします。必要な栄養素が補えない結果として、肌の乾燥をはじめとした肌トラブルが起きやすくなってしまうのです。


4:水分不足になってしまうため

妊婦の体は、血液量の増加や、新陳代謝の活発化での発汗・羊水の必要性など、妊娠していないときよりも多くの水分を必要とします。その必要量は、1日に1.5~2.5リットルともいわれます。


2.5リットルの水分は、意識して摂取しないと不足しがちになってしまいます。しかし、摂取水分が不足していても、妊娠に必要な水分はどんどんと母体から使われていきます。その結果、水分が肌まで行き届かなくなってしまうのです。


妊娠中に肌が乾燥してしまうことで招く症状

ここからは、妊娠中に肌が乾燥してしまうことで、具体的にはどんな問題があるのか、妊娠していないときの肌乾燥と違いはあるかについてみていきます。


考えられる症状を2つ紹介するので、参考にしてみてください。


妊娠線ができてしまう

肌が乾燥していると、肌の柔軟性が失われます。柔軟性が失われた状態で、妊娠により急激に皮膚が引っ張られると、伸びが足りずに皮膚の内側で組織断裂が起きます。


皮膚は表皮の下に真皮と皮下組織があり、この断裂は真皮や皮下組織の一部である弾性繊維で起こります。断裂した層の下には、毛細血管がたくさんあります。その毛細血管が皮膚の表面からも透けて、断裂が線として見えてしまうのです。


肌がかゆくなってしまう

肌が乾燥すると、皮膚の内部で軽い炎症が起こります。さらに「かゆみ」の知覚神経が、肌が正常な状態よりも表皮側まで伸びてしまうことで、わずかな刺激を「かゆみ」として認識してしまうのです。


「かゆみ」を感じて掻いてしまうと、そこから更に肌荒れが悪化し「痛い、かゆい、さらに痛い」という負のループに陥ることもあります。


妊娠中の肌を乾燥から守るための対処法5つ

妊娠中のデリケートな肌を掻きむしってしまう行為は、よくないとされています。また、ストレッチマーク、肉割れなどとも呼ばれる妊娠線も、できないに越したことはありません。


ここでは、妊娠中にもできる肌乾燥対策についてみていきましょう。


1:水分をこまめに摂取する

まずは、水分摂取量を増やすことです。前述の通り、妊娠中はたくさんの水分を必要とするため、妊娠前と同等の水分摂取量では不足してしまいます。


妊娠後期などは特に大きくなった子宮で圧迫され、トイレが近くなることで水分を敬遠しがちな方もいるでしょう。しかし、胎内の子供のために必要な水分は、常に母体から取られ、母体は乾燥していきます。こまめに充分な水分が摂取できるように心がけましょう。


2:保湿クリームを塗る

保湿クリームは、外部から潤いを与えられるため肌乾燥を防ぐためには有効な手段です。伸びの良さや肌への浸透性だけでなく、肌刺激の少ないものを選ぶことで、妊娠中のデリケートな肌も優しくケアできます。


妊娠中に使用できる保湿剤には、化粧水タイプのものからボディクリーム・オイルなどさまざまな商品があります。妊娠中は妊娠前と比べ、好みが変わる場合もあります。香りや仕様など、自身に合うものを選ぶと良いでしょう。


3:UVケアをきちんとする

紫外線は肌のバリア機能を低下させ、乾燥肌を進行させる一因となります。また、バリア機能が低下した肌は刺激に弱く、健康な状態と比べて容易に炎症を起こしてしまいがちです。紫外線は春から急激に増えるため、夏だけのUVケアでは不十分なことがあります。


4:肌に優しい衣類を身につける

化学繊維の下着などは、妊娠中のデリケートな肌には刺激が強い場合があります。例えばそういった衣類を、絹・綿・麻などの天然素材のものに代えることで、肌への刺激は減らせるでしょう。妊娠中は特に、着心地も肌への刺激も優しい素材の衣類がおすすめです。


5:肌を清潔に保つ

肌が汗ばんでいたり、汚れたままでいたりすることも肌への刺激となります。汗はすぐにふき取り、可能であればシャワーなどを浴びて、常に清潔を心掛けましょう。肌への刺激を減らすことは、肌トラブルの予防につながります。


ただし、シャワーも使い方によっては肌乾燥を加速させてしまいかねません。熱すぎる温度は避ける、シャワー後には保湿するなどの一手間を大切にしましょう。


乾燥対策の保湿クリームを選ぶ基準3つ

前項の「妊娠中の肌を乾燥から守るための対処法」の中で「保湿クリームを塗る」という対処法を紹介しました。しかし、どのようなクリームがいいのかいまいちピンとこない方もいるでしょう。


ここからは、どんな保湿クリームがいいのか解説していきます。妊娠中の乾燥対策として、保湿クリームを選ぶ基準を考えていきましょう。


1:保湿力の高さ

乾燥の一因である水分不足を外部から補うため、保湿力の高さは重要です。保湿した肌には柔軟性もあります。そのため、高い保湿力を持った商品であれば、しっかりと乾燥を防げるでしょう。


しかし、妊娠中は妊娠前に使用していた商品などでは、保湿力が足りない場合もあることに注意しましょう。妊娠で変化したホルモンバランスによって、肌は妊娠前よりも乾燥しやすい状態となっています。肌を柔らかく保つためには、妊婦専用品などを選ぶのも有効な手段です。


2:コストパフォーマンスの良さ

どんなに良い成分が配合されていても、あまりに高価では妊娠中ずっと使い続けるのは負担になる場合もあるでしょう。


大きなお腹をはじめとした全身に使用したとき、使いやすい価格であること・効果と価格が見合っていること・納得できる容量であることなども併せて選ぶといいでしょう。


3:オーガニック製品かどうか

妊娠中の肌はデリケートなため、普段は気にならない防腐剤や乳化剤・香料なども刺激になってしまう場合があります。そこで、無添加製品やオーガニック製品などを選択基準にしてみるのもいいでしょう。


オーガニック製品といえば、植物由来など肌に優しい仕様が多いです。更に、香りやテクスチャーなども妊娠中の状態で確認できれば更に安心できます。妊娠中の負担にならないもの、不快感を伴わないものを選ぶようにしましょう。


妊娠中の肌を守るために乾燥対策を徹底しよう

妊娠中は新たな命が誕生するまでの幸せな時間であると同時に、母体にとっては大きな負担のかかる時間です。ホルモンバランスが崩れ、肌1つとっても妊娠前とは異なることがあるでしょう。敏感になってしまった肌を優しくケアすると共に、妊娠線予防にも乾燥対策は有効な手段です。


体に合った保湿剤を選びマッサージするように労わることで、リラックスした気分にもなれるでしょう。新たな命の成長を見守ると共に、お母さんの体も大切に守っていきましょう。